千里眼クラッシックシリーズ

千里眼クラシックシリーズがおもしろい。出版元が変わっただけでなく、かなりの加筆修正がされている。新シリーズとのつながりも考えられていて、旧シリーズとは違う趣になっている。

特に、「ミドリの猿」はオビにも71%新作と書いてあって、確かに変わっている。旧シリーズを知っている人には、千里眼のパラレルワールドのような雰囲気が味わえる。

岬美由紀ファンにとっては、また別の美由紀に会えるのでうれしい限りではある。

|

泥沼から抜け出すために

普段はソフトをしこしこと作成しているのだが、改めてこういう本を読んでみると認識を新たにすることがよくある。

ソフトウエアの開発という作業は、他の設計とは全く質が違う作業です。ソフトウェア開発は文系の職種であるということを、まず認識していただきたいと思います。ソフトウェア開発は製造業ではなく、サービス業です。そう考えると、ソフトウェア開発がかかえる様々な問題の構造が見えてきます。(『組み込みソフトウェア開発はなぜうまくいかないのか』~開発現場の泥沼から抜け出すために~ (まえがきより)

う~ん、自分のやってることが実はサービス業だったとは。でも、改めて考えると、現在のソフトウェア開発はさらに使い勝手をよくするとか、もっとわかりやすく表示するとか、といったことをやっていることがかなり多い。純粋に性能を求めるとか、技術的課題を解決すると言ったことは全くないわけではないが、使い勝手の良さを求める向きの方が強くなってるのは確かである。

でも、理系の職業だと今まで信じてきたんだが、実は文系の職業だったとは・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

幻夜

東野圭吾は読者を裏切らない。

「白夜行」に続く長編「幻夜」を文庫本で読みました。緻密なストーリーと、人物描写のすばらしさ。文庫本で779ページの分厚さだけど、これを上下2冊の分冊にしなかったのは正解です。確かに少し持ちにくいけど、ストーリーや流れを考えると1冊で読み切りたい小説です。

第3弾はあるのか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

酸素欠乏症

「千里眼の教室」、岬美由紀が活躍する千里眼シリーズの最新刊である。今回は、いじめ問題と教科書履修問題である。

奇数月は「千里眼の月」ということなのだが、きちんと2ヶ月おきに出してくるところはすごい。1月は一挙三冊だから、年間で8冊になる予定だろうか。

人は、酸素が18%以下になると、大脳皮質の機能低下から脳の細胞の破壊に至ってしまう。何とも恐ろしいが、この酸素欠乏症を引き起こすようにセットされた爆発物が氏神高校で爆発。その後、氏神高校では生徒以外を校外へ閉め出し、独立国家として日本国に対して宣言される。

まあ、普通ではあり得ないが、千里眼シリーズは派手なエンターテイメントなので、岬美由紀が活躍するのならいいかなという感じ。ただ、今回も例によって派手なアクションもあるのだが、どちらかというと岬美由紀より独立国の国民(高校生)の行動がメインとなっていて、彼らの行動がなかなかおもしろかった。最後に実は・・・というドンデン返しもあり、全体を通しての社会批評もあり、新たな側面をが味わえる作品になっている。

話は変わるが、うちの会社は部屋の空気の流れが悪く、外は涼しいのに中はむっとしていたり空気が澱んでいたりする。昔はそうでもなかったのに、最近コーディングのスピードが落ちたのは、酸素欠乏症による脳の機能低下かもしれん。気をつけないと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ジェットコースター事故

組織行動の「まずい!!」学―どうして失敗が繰り返されるのか (新書) ISBN-10: 4396110448

大阪エキスポランドのジェットコースターで起きた事故は痛ましい限りだが、後から出てくる話を聞いていると、起きるべくして起きた事故だったんだなと思われる。

上記の本には多くの事例が載っている 。JR西日本・雪印・JAL・スペースシャトル・チェルノブイリ・松下産業・原発事故などなど。これら過去の事例が教訓とならず、こういう事故が起きてしまったことは何とも残念である。これらの企業が犯した過去の失敗につながるような「危険」は、自らが属する企業でも多かれ少なかれあるはずである。

この本では、マネージメントの分野に注目し組織の中でなぜ人は失敗を繰り返すのかを分析しリスク管理の教訓を探ろうとしている。

ジェットコースターでは今後こういう事故は起きないだろう。でも、これをジェットコースターの問題だけに終わらせてしまうと、また何かほかの事故が同じような理由で繰り返されることになってしまう。「うちは業種が違うから」ということではなく、これらの事故を引き起こした管理体制は自分の企業に当てはめた場合どうなのか?危機管理や阿安全管理を担当している部署では、危機感を持って対応してもらいたいものである。

そうでないと、また、同じような管理体制の問題やリスク管理のお粗末さで事故が発生することだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

バリアセグメント(完全版)

驚きです。物語の最初に、子供たちの異常行動が書かれているんだけど、あのタミフルの異常行動とほとんど同じじゃないかと。松岡圭祐だからあの同時多発テロのように先取りしてたのか?と、期待しつつ読み進めていくと、異常行動をとった子供たちの唯一の共通点が、とある大ヒットゲームソフトと言うことがわかる。このあたりから、さすがにタミフルのような薬の話ではなくなったか。でも、ゲーム業界の話もおもしろく、マスコミのバッシングと会社の役員連中からの責め立てなどが相まって、次第に緊張感が漂っていくところは、さすが松岡圭祐だなという感じ。

私も一応プログラマの端くれだが、ゲーム業界には身を置いてはいないので、ちょっと違う。でも、プログラマの生態に関しては、まあ、そういう人たちもいるかなという感じかな。プログラムの話だと、きわめて論理的に話をするんだが、いざそこを離れると人とのコミュニケーションがうまくとれない、という人はいないことはない。

しかし、死とか暴力の全くないゲームソフトをやってて、どうやったら異常行動を起こすって言うんだろう、松岡圭祐のことだからなにかとんでもない仕掛けがあるんだろうとなと思って読んでいくと、うわ~!そういうことかよ・・・と。水の通う回路というのも、最後の方でようやくわかってくる。やっぱり、松岡圭祐はすごい作家です。

まあ、ネタをばらすわけにはいかないので、後は、皆さん読んでください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

トランス・オブ・ウォー

こういうことが現実にあったなら、今頃イラクは平和な国になっていたかもしれない。

トランス・オブ・ウォーという確立した理論は無いようだけど、確かに、戦争状態においては、兵士は一種のトランス状態にあるのだろう。ただ、全員がそうではなく全体の15~25%くらいがそのようなトランス状態にあると言っている。

物語の中では、中東のイスラム世界の住人が特にこのトランス状態に陥りやすいと言っている。確かに、聖戦(ジハード)の名の下に、自爆テロが相次ぎ、数え切れないほどの人々が命を絶たれている。すべてのイスラムの人がそうではないと思うが、一部の過激なグループが、一種のトランス状態でこういうことを引き起こしているのだと思うと、岬美由紀のようなある種救世主のような人物の登場がない限り、イラクの現状は打開できないのかもしれない。悲しいことである。

第2次大戦中の日本もおそらくこのトランス状態にあったんではないかと思う。しかし、二発の原爆投下、敗戦で、トランス状態から抜け出し、短期間に目を見はるような経済成長を遂げた。

もう日本は過去のようなトランス状態に陥ることはないだろうか?今身近に戦闘状態に陥っていく危険は無い。バブルも一種のトランス状態だろうけど、殺戮を行うような戦争状態ではなかった。しかし、未来永劫そうとは言い切れないだろう。何がきっかけとなって抜き差しならない状態に陥らないとも限らない。北朝鮮のミサイル問題など、ちょっと間違えればどうなるかわかったものではない。

ただ、人類は過去に学び未来へと進もうとしている。少しでも進歩したい、そうありたいと願っている、そう思いたい。そういう姿勢を保ち続ける限り、いつか、地上から戦争という忌まわしきものは姿を消していくものと思いたい。

スタートレックのTNGやVGRの舞台である24世紀には、人類は困難を乗り越え地球上からは戦争・貧困・偏見・差別などから決別したことになっている。そこに至る道は、あまり描かれなかったが(これからあるかもしれないが)、そこへ至る道を進んでいるんだと信じていたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イリュージョン 第Ⅱ幕

なんか救われた感じがする、読み終わった後の素直な感想である。

里見沙希も、前2作のままだとなんだか中途半端で、胸に何かがつかえた感じがしていたが、よかったというのが正直な気持ちである。

しかし、物語の2/3くらいはどういう結末になるのか、救いはあるのか、という思いでなんか暗い気持ちになっていたけど、最後で一気に晴れやかになった感じがする。

岬美由紀の千里眼シリーズは、これぞエンターテイメント!っていう感じで、彼女の超人的な能力と物語のスケールの大きさと緊迫感が魅力であるが、マジシャンシリーズは、全く趣を異にしている。マジックというある意味人をだます能力と周囲との疎外感からくる孤独、そこに不器用ながらも全身でぶつかっていく舛城徹警部補との絡みが絶妙である。

松岡圭祐はすごい作家である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ミッドタウンタワーの迷宮

岬美由紀新シリーズの最新刊である。一気に読んでしまった。読み終わったのは深夜の2時を回っていました。おかげで、今日は眠い。

今回は千里眼の能力を失うという生涯最大のピンチに見舞われてしまう。詳しくは、お楽しみが無くなるので書かないけど、物語の展開のスピード感は、前作三巻に負けず劣らずである。

ところで、物語では『愛新覚羅』という中国のカードゲーム(政府による禁令まででたという)が出てくるが、このカードゲームって実際にあるんだろうか?

次回作は、5/25発売予定だそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

鬼のように・・・

久々に鬼のように読書している。読んでいるのは松岡圭祐の著作。以前にも書いたけど、メインは戦う臨床心理士「岬美由紀」だがそのほかのも読んでいる。いずれも数年前に出たものばかり。初版当時から読んでいればこんなことはなかったんだろうけど、今まで気づかずに読んでなかったのを取り戻すかのように読みふけっている。とはいえ、仕事のある身だから今日のように休みの日が無ければ一日中は読めない。平日は、電車の中が唯一の読書をする場所になっている。

松岡ワールドにあるリズム感とスピード感それと臨場感は、なかなかほかの作家にはないものがある。お気に入りの作家になるのにそう時間はかからなかった。

私のお気に入り作家は、ほとんどがミステリー作家だ。

 森博嗣、高田崇史、二階堂黎人、綾辻行人、島田荘司、鯨統一郎、清涼院流水、西澤保彦、東野圭吾

理詰めで論理的に事件を解決するのが特に好きである。プラス魅力的な主人公がいればなおよい。たとえば、犀川創平に西之園萌絵、桑原崇に棚旗奈々などなど。論理という意味では、スタートレックエンタープライズのトゥポルも好きである。バルカン人じゃないけど、自分自身、プログラマという職業柄もあるかもしれないが、論理を追い求める傾向がある。(よく破綻を起こしてしまうが・・・)

松岡圭祐のシリーズは、岬美由紀と嵯峨哲也の魅力もあるが、壮大なフィクションの中に事実や真実を散りばめることで現実感を描き出しているところに、読むものを惹きつけるところがあると思う。また、臨床心理士という人の心を扱う職業を中心に描くことで、物語への感情移入をしやすくしているのも見事である。それと、軍事や心理学などに対してもいい加減なものではなく、しっかりとした知識の裏付けがなされているところなども物語に現実感と臨場感を与えることに成功しているといえるだろう。

3/25に千里眼の新シリーズの4作目が出るはずである。それまでに、今までのシリーズを読み切るのはさすがにちょっと無理っぽい。先ほどようやく「千里眼の死角」を読み始めたところである。3日間で、小学館文庫から出ているシリーズを残り全部読むのはさすがに無理だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧